23日にソウルで行われた韓国対セネガル戦をテレビ観戦しました。結果は1-1のドロー。
セネガルの選手は基本的にフランスリーグの選手ばかりでしたが、ディウフ、ディアオ等の有名選手はいなかったような気がします。一方の韓国は、オランダスタイル?の4-3-3。パク・チソン、イ・ヨンピョのプレミア組はお休み。3トップはアン・ジョンファンが真ん中で右になべ、左にソル・ギヒョン。中盤の底はキム・ナムイルではなく若手のイ・ホ、右サイドバックに久しぶりに招集の小野の元チームメイトのソン・ジョングクが入りました。
総評としては、全体としては完全なセネガルのペースで、韓国はカウンターで勝機を見いだすという展開に終始していました。
序盤、特に韓国の試合の入り方は、ゆっくり後ろでボールを回して時折ロングボールという慎重なものでした。
しばらくすると右のなべを突破口に攻め上がろうとする意志を見せ始めるのですが、個人技のレベルでセネガルに圧倒されてなかなかチャンスをつかめません。たまにセンタリングを上げてもセネガルの素早く戻るDFにからめ取られるという展開が続いていました。
セネガルの方は、組織的な攻撃というものは無いのですが、「こいつら俺達よりヘタ。」という認識を持って以降はドリブルでどんどん中盤を面白いように切り裂いて決定的なチャンスを2,3人の選手で作り出してしまいました。私の認識では、韓国の真ん中の3人のMFというのは前目のDFであって、OMFというのは存在しないと言うものなのですが、その前目のDF3人が全くの置き去り状態にされるという場面をよく見ました。
韓国のDFの仕方として、相手がボールを持ったら2,3人でプレスをかけてライン際に追い込んでボールを奪うという決めごとがあるように感じられましたが、プレスをかけて完全に囲い込んでも、セネガルの個人技が凄くて、股抜き、スピードチェンジ、早い反転とあらゆる技で結局はその2,3人がまとめて抜かれ、逆にその背後の広大なスペースを与えて余裕を持って前を向かれるという、韓国にとっては最悪の展開が連続します。でも結局セネガルFWのシュートが枠に行かず、前半は0-0で終了。
後半から、韓国は攻撃で全く目立つことが出来なかったソン・ジョングクから水原サムソンの吉田戦車の漫画のキャラの選手に交代。
しかしセネガルの攻勢は続き、何度もいとも簡単にDFラインを突破して決定的なチャンスを作り出します。解説のファン・ソンホンは、ジュビロのキム・ジンギュが余りに目の前の相手を気にしすぎてFWの陽動の動き(外に流れる動き)に引っかかってしまい、逆に遠目からのシュートコースを作っていることに不満を述べていました。個人技レベルでは良いところを見せていたと思うのですが、すぐ飛び込んだりする軽いプレーも相変わらず健在でした。
後半のセネガルは個人技での突破を抑えてツータッチで5m位の長さのパスを選手同士が動きながらどんどん通すようになり、韓国選手の対応を後手後手に回して疲労感を蓄積させることに成功していました。これは見ていてかなり美しかったです。
一方の韓国はDFラインで攻撃を受け止めてひたすら単純なクリアか両サイドへのロングボールに得点チャンスを見いだそうとする淡泊なサッカー。ついに私は後半20分くらいから眠くなってしまいました。
韓国のクリアなのですが、単に前に蹴り出すだけで、そこからつないでカウンターということができていませんでした。たまに意図のあるロングボールが出てDFラインを抜け出したかに見えても、FWの足が遅くて、というかセネガルのDFの足が異様に速くて多少第一歩の応対が遅れても、すぐに2人くらいで追いついて、取り囲んで、ボールをセーフティに奪ってしまうのです。これは人間の持っている能力の差にただただ驚くばかり。
で、その奪ったボールの処理がまた効果的で、必ずそのボールを出す味方を見てから蹴り出すという意識が強いのです。前掛かりになっている韓国を何度も反転させ、疲労感を増していました。クリアなり、逆襲のパスなり、ポストに当てるパスを着実にやっていて、チームとしてのまとまりは今ひとつなのかも知れませんが、基本的な思考のベースがあるという意味で強さを感じました。ヨーロッパでやるというのはこういうことなんでしょうか。それに比べると韓国選手のプレーはいかにも行き当たりばったりで非効率で鈍重なサッカーという印象でした。
でもそんな状況でも分からないのがサッカーですね。
先制したのはなんと韓国。完全なカウンター状態から右サイドを走ってきた光州尚武という徴兵軍人チーム在籍のゴツイ選手からセンタリング、ゴール前にいた、これまた代わって入っていたパク・ジュヨンがペナの外側にいったん落とし(この冷静な判断は凄かった。)、走り込んだDMFの選手がシュート練習のようなドフリー状態でミドルを決めてしまいました。
これでペースの狂ったセネガルは急にプレーが雑になり、個人技による突破が復活。普通だったらここから悪循環に、という流れであるところ、これまたわからないものでこの個人技の突破から状況が打開され、先制点の5分後に同点のミドルシュートが決まります。韓国のDFはペナ内に人数が揃っていたにもかかわらず、誰も当たりに行かなかったことが災いして強烈な一発を食らったと言うことです。集中力の欠如といえばそれまでですが、中盤の潰し屋がいないのと、全体を落ち着かせられる選手=リーダーの不在が遠因と思われます。
この後は双方のチームの足が完全に止まってしまい、4分もあったロスタイムも無駄にして終了。会場を埋め尽くした観衆のため息とやり場のないストレスがテレビを通じても感じられました。
韓国は、けがをおそれてでもいるのでしょうか、当たりが淡泊で、いつものえげつなさに欠ける守備でした。これが本気モードにも関わらずセネガルの個人技にやられていたのだとしたら、本大会はかなり苦労しそうです。集団でのプレスが効かないどころか逆手に取られ、相手の速いパス回しに付いていけず、スタミナも疑問という状況ですから、アフリカ勢(トーゴ)にもヨーロッパ勢(フランス、スイス)にも劣性を強いられるのではないでしょうかね。となると伝統の(笑)ロングボール一発勝負しか勝機を見いだせないということになってしまいそうです。
今週金曜日はパク・チソン等の本物海外組の登場と言われるボスニア・ヘルツェゴビナ戦。テレビ観戦か、あるいは見ないかも知れませんが、面白いことがあれば何か書きます。
あ、なべくん。黒人選手には引き続き敬意を示した方が良いと思いますよ。君の突破の失敗が何度味方のピンチを招いたことか。。。